アドリアン・ドメネッチ監督
今後、レナトでもサッカー留学でお馴染みのアルゼンチン、ブラジルといったサッカー強豪国の監督・フィジカルコーチ・選手等にインタビューをしていきます。
楽しみにしてください。
第1回目のインタビューはトヨタカップでも活躍した、ドメネッチ監督(アルゼンチン)です。
名前: アドリアン・ドメネッチ
経歴: 元アルヘンティノス・ジュニオールズ監督(プロ1部リーグ)
1973年アルヘンティノスでプロ契約し、以降 インディペンデンテ、ボカ・ジュニオールズで活躍。
1986年にはアルゼンチン代表選手として活躍している。
Q1.あなたにとってサッカーとは?
A1.楽しみであり、大きな情熱を傾けられるもの。 私は、いつもプロ選手になりたかったし、1度も迷うことはなかった。
Q2.いつサッカーを始めましたか?
A2.10歳の時にアルヘンティノス・ジュニオールズで本格的に始めました。
Q3.夢はなんでしたか?
A3.プロ選手となり活躍することでした。
Q4.印象に残っている試合は?
A4.1985年 日本で戦ったトヨタカップです。 この時は惜しくもプラティニ選手のいるユベントスに負けてしまいました。
Q5.アルヘンティノスジュニアーズのジュニア部門(アマチュア部門)で選手だった時と現在ではどんな違いがありますか?
A5.現在は商売的になっていると思います。 以前は本当にサッカーをしたい、サッカーを感じていた選手だけがプレイしていました。
今は選手を選ぶ形式が変わり、少年選手達はスカウト、代理人、企業によって紹介され推薦されます。
1人で来る選手は残念ながらあまりいません。 いつもスカウトや代理人等が選手を発見し、国際的に育成の評判が高いアルヘンティノスJrに推薦しています。
このことは選手にとってもプレッシャーとなり、子供の時から代理人がいて、サッカーを生活手段としています。多くの若い選手は交通費、やわずかな給料を代理人、企業等からもらい生活しています。
Q6.フィジカル・技術による違いは?
A6.今はフィジカルの方が重視されています。それだけで選手を選ぶわけではありませんが、フィジカルの重要さは昔と違います。
以前は技術だけを見ていて、選手のポジションでの役割等は重視されていませんでした。現在はフィジカル能力をみてどれだけ成長できるか、
または同年代の選手達と比べてどの競争レベルにいるかも評価されます。
Q7.ジュニア部門(アマチュア部門)ではフィジカル・技術・戦術をどの割合で行っていますか?
A7.私の指導法からしますと、若い選手のトレーニングというのは選手を育成するという目的を達することです。
ジュニアース部門は競争上での直接的結果だけを目的とするのではなく、将来プロになる選手を養っていかなければならないと思います。
トレーニングは計画に含まれている一つの過程です。私の計画ではこの過程では技術的なトレーニングが第一条件です。
若ければ若いほど技術的なトレーニングの割合が高くなります。技術を練習する際、体を使って練習するものですから体力がつきます。
一番若い選手たちには戦術も導入します。戦術も技術と一緒になり、技術の面で進歩していけば、同時に戦術を多く導入していきます。
日本の若い選手たちに一言をお願いします。
「サッカーを感じること。戦術面や技術的な上達は追加していけるものですから、第一にサッカーを愛すること。
そして、何よりもサッカーをしたいという気持ちを持つことを忘れないで下さい。」
日本のコーチの皆様に一言をお願いします。
「監督になるには経験が基本となります。サッカーをプレイした経験は人生の経験であり、サッカーに繋がります。
まったく経験がなければ監督になるのは難しくなると思います。これはサッカーが精密化学のように勉強できるものではないからです。
チームを作るにはアルゼンチン・ブラジル・ドイツ・イギリス等のプレイスタイルを真似るよりも、選手たちの特徴(文化、ライフスタイル、体力)
を認識することで仕事がやりやすくなります。その上、統一したプレイを目指すことがなにより大切です。
アルゼンチンでは日本の少年たちを待っています。こういった話ができて、この言葉が私が尊敬する国へ送られることを嬉しく思います。
日本をあまり詳しく知らない私ですが、行く度日本に感心してしまいます。」
名前: ガブリエル・ロナウド・ロドリゲス
経歴: 元リバープレート ジュニアコーチングディレクター
1981年から指導にあたり、クレスポ選手、ガジャルド選手やサビオラ選手を育成してきました。
Q1.子供達を育成するのに気をつけていることは?
A1.プロフェッショナルに子供達がなれるようにいつも考え指導しています。
特にボールコントロールがうまい選手、イメージ豊かな選手を生み出すために、フィジカルだけでなく、技術・戦術に力を入れています。
Q2.日本の子供とアルゼンチンの子供との違いは?
A2.日本の選手は才能豊かであるとは思いますが、ポジションの役割・意味を理解できていないように思います。
ゲーム内での動き方を学ぶことでもっと上達すると思います。
Q3.日本のサッカーが強くなるためには?
A3.2006WCUPのオーストラリア戦を観ました。 日本の選手はヨーロッパでプレイしている選手もいるので、個人能力・戦術理解度も高く、フィジカル力も良かったと思いますが、
状況を見極めた戦い方(頭の良いプレイ)がまだ足りないように思いました。アルゼンチンでは、小さい頃からの駆け引きある試合を通して多くのことを学んでいきます。
小さい頃からの試合経験値の違いが現れたように感じました。
最後にレナトの選手達へコメントをお願いします。
「サッカーは簡単ではありません。だからこそ努力・向上心・情熱を常に持ち続けていかなければなりません。才能は生まれた時に1人1人必ず持っているものです。
それを磨くのは自分自身だということを忘れずにサッカーを楽しんで真剣に取組んでください。」
第3回のインタビューは、アルゼンチン代表で活躍したシメオネ氏(元エストゥディアンテス監督・現アトレチコ・マドリード監督)と
ベロン氏(元アルゼンチン代表)からレナトの子供達へコメントを頂きました。